管理職研修で起こった変化〜全体最適の企業を目指して〜
去年の11月と今年の2月に管理職研修で大分市の企業に伺いました。
こちらの企業では、長い時間、グループ本社の研修に受講対象者となる管理職を「選抜式」で派遣をされていましたが、どうしても社内に不公平感が出たり、知識や温度差が出ていることを懸念され、今回は初めて自社の管理職全員を集めた研修をご計画なさいました。今回の研修に関して、一つだけ人事の不安がありました。それは、管理職全員が対象となる研修は初めてのことなので、研修を好意的に受け止めない人がいるかもしれないということでした。
研修を実施する目的は「サイロ化が進み、部分最適になってしまっている組織を全体最適に変えていくこと」です。事業の性質上、全体最適であることがより事業の効率や生産性を上げていくのですが、どうしても「自分の部署を守る」という思いが強く出過ぎて、部分最適が進んでしまっているようでした。
今回の研修テーマは「全体最適の視点で考えるリスクマネジメントとチームマネジメント」。部分最適と全体最適の違いについてお伝えをした上で、自分たちの現状がどうなっているのかを考えてもらいました。そして、このままではどのようなリスクが生まれてしまうのか、全員で考え、共有をしました。そうやって言語化したリスクを全体最適の視点でどのように防いでいくことができるかを考えていきます。
このように私は研修において「共通言語」を作ることを大切にしています。今回のキーワードは「全体最適」。共通言語が生まれると、その言葉を意識をしていく機会が増えます。意識が変わると行動が変わっていきます。これは、社内で実施する研修だからできることです。
11月の研修後からは、全部署の管理職が出席する会議で「その意見は全体最適にならない」などの言葉が出てきたとお聞きしました。管理職全体で「全体最適」という言葉が共通言語になっていることがわかります。
その後、2月にフォローアップ研修を行いましたが、前回の研修でそれぞれが決めたアクションプランの実行について報告をいただきました。管理職自身が変わり、部署を変えるための行動を取ることで部署の中で小さな変化があったことなど、嬉しい報告をいくつも聞くことができました。
当初、研修の実施に関して好意的に受け止められないかも知れないと、心配されていたことですが、管理職の皆さまにとっては良い学びとして受け止めていただいていたようです。研修後のアンケート「11月と2月の研修の全体の評価」と「今後もこのような研修が必要かと思いますか」という項目の回答では、研修の重要性や必要性に気づいていただけたことがわかりました。その一部をご紹介します。
管理職研修で共通言語を作り、自分たちの行動を見直し、必要があれば変えていく。その結果、行動変容が起こる嬉しい研修となりました。
部署間を超えた協力体制は、管理職のお一人お一人が小さな行動を起こしていくことが近道です。
皆様の組織でもそのような行動変容を起こしていきませんか?お気軽にご相談ください。