企業理念作成研修〜言葉の定義を合わせる〜

普段は、大分県の企業様向けに、職場作りや人材育成のための管理職研修、全社研修、そして新入社員研修を担当させていただいておりますが、現在、ある企業様で企業理念を作成する過程に関わらせていただいております。

企業理念を作成する機会に関わらせていただけることは、そう多くあることではありません。多くの場合は、すでに企業理念がある企業様がほとんどです。そのため、経営者、社員の皆様と一緒に企業理念を作成していく過程を共有できることはとても貴重な機会です。

企業理念を作成する場合は、6時間くらいの1日研修で一気に作り上げる場合もありますし、数ヶ月かけて作ると場合もあるようですが、今回は、3時間の研修を5回行いながら、時間をかけて丁寧に企業理念となる言葉を作っています。

企業理念を作るというとても大切な研修ですので、私も随分と時間をかけて準備をしていますが、その中でも特に大切にしていることが二つあります。

1つ目は言葉の定義を合わせること、そして2つ目が全員で企業理念を作成するプロセスを共有することです。

企業理念作成研修では、最初に企業理念とは何か、また理念が持つ働きとはどのようなものかを考えていきました。理念が持つ働きとして詳しいことは今回は割愛しますが、企業理念が対社内、対社外に対して発揮する効果は理念作成研修以外の「職場づくり」や「主体性を持った人材育成」をする場合にも必ずお伝えしていることです。

その役割を確認した後で、「企業理念」「経営理念」などの言葉の定義を確認しています。また理念系の言葉には「ミッション」「ビジョン」「バリュー」などの言葉もあります(その他にも「プロミス」「スタイル」「スローガン」などたくさんありますね)。そのような言葉が持つ意味をお伝えします。

特にこの「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の言葉の意味はお伝えをして終わりではなく、受講されるみなさんがこの言葉にどんな印象を抱くかを共有していただきました。それは「ミッション」「ビジョン」「バリュー」が持つ言葉の定義をそれぞに落とし込んでいただくためです。

前回の研修では、このワークが想定していた以上に重要なワークになりました。受講された方々が持つ言葉のイメージがみなさん違っていたのです。通常「ミッション」「ビジョン」「バリュー」は「MVV」とも言われ、「ミッション→ビジョン→バリュー」の順番で示されます。しかしワークでは複数の方から「ビジョン→ミッション→バリューのほうがわかりやすい」という意見がありました。ビジョンがあって、そのビジョンを達成するために持つものがミッションではないだろうか、という内容です。

このことについて参加者全員で話をしてもらいました。「いや、ミッションがあるからビジョンが描けると思う」「ビジョンはそれぞれが持つものでみんな違う、でもミッションは一つだ」「ビジョンが先の方がイメージが湧きやすい」いろんな意見を出してもらいながら、言葉の定義をすり合わせていきます。

最終的には「MVV」の順番に全員が納得をして話を進めることになりましたが、この過程がとても大切でした。

ミッション、ビジョン、バリューという言葉の意味は研修で聞いたけれども、なんとなく自分が持つ言葉のイメージとは違うなぁとモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、企業理念を作成しては意味がありません。自分はビジョンだと思っているけど、それはミッションなのかなぁ?という消化不良の状態になります。

また全員で、今回はミッション、ビジョン、バリューという言葉も確認をしたけれど、この言葉が自分たちにとって納得できる言葉でなければ、無理に使うことはやめようということも話をしました。なんとなく世間で「ミッション、ビジョン、バリュー」という言葉が使われている、なんとなくカッコ良く聞こえる、でも自分たちがしっかりと説明できないのであれば、その言葉を使うのはやめよう、と。

こうやって、それぞれが言葉に対して持っている印象や意味を丁寧に合わせていく過程は、理念作成だけではなく、どの場面でも重要なことです。報連相研修に伺うときにも「同じ絵をみましょう」ということを伝えていますが、お互いが持っている言葉のイメージが違うものであれば同じ絵を見ることができません。

研修後の振り返りである方がこんなことを書いてくださっていました。

「今回は言葉の認識がそれぞれ皆さん違うということが分かりました。仕事中にも時々起こりますが、相手に伝わるように話すことが難しいと感じることがあります。相手を理解して、伝わるように話す、ことがこれからの課題です。これから一緒に働く方に伝わるような理念を作成したいです。

理念作成研修を通して、理念作成だけではなく、社内におけるコミュニケーションも改善されていくと大変嬉しいなと思っているところです。

企業理念作成のための研修も行っております。企業理念をお持ちでない企業様、理念を作り直したい、理念を見直したい、という企業様、お問い合わせください。

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現在、22年卒対象の内定者研修も行っております。内定者研修の内容がまだお決まりではない企業様、内定者研修を導入したことがない企業様がおられましたら、内定者に安心して入社してもらうための「内定者研修」を導入してみませんか?お気軽にお問い合わせください。

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