組織に所属する理由
現在、大分にて研修講師を続けながら、住んでいる小さな田舎町で歯科助手の仕事もしています。10年以上研修講師をしていますし、研修講師になる前は、医療事務やPCインストラクターなどをやっていましたので、歯科助手というのは未知すぎる世界です。
最初にこの職場を選んだ理由は、「地元のコミュニティに所属する必要がある」「家から近い」「日・祝日休みで主人の都合を優先させやすい」という3つでした。実際に仕事が始まってからは、未知すぎる世界で毎日が挑戦以外の何物でものなく、この年になってこんなにも新しいことを覚えることができるのかと自分の頑張りに拍手をしたい毎日。一言で言ってしまえば、とにかく大変な毎日でした。
歯科助手の仕事を初めてもうすぐ1年ですが、もう少しこの仕事を続けてみようと考えています。その理由は、1年前からは少し変わって、以下のようになりました。「組織に所属しないと組織のことはわからない」「研修講師と違う脳の部分を使うからリフレッシュできる」「教わる立場になって初めて分かる教える側のこと」という3つです。
①組織に所属しないと組織のことはわからない
私は研修で、組織づくりや組織内コミュニケーションについてお話しをすることが多いのですが、そんな話をする私が組織に所属していないと、やはり現場の声が分かりずらいことがあると思うのです。組織の中には、気が合わない人、嫌いな人もいます、そんな人とのやり取りを感じていることで、組織のコミュニケーションで悩んでいる人の気持ちもより分かる気がしています。めんどくさいと感じる関係があるのと同時にこの関係があるから頑張れるということもあります。そのような「人との関係」の中から生まれ現在進行形の「リアルな声」を研修でもお届けしたいと思っています。
②研修講師と違う脳を使う
歯科助手の仕事は、未知の世界ですが、講師として使う脳の部分とは違う部分を使っています。私には脳科学的なことはまったく分かりませんが、歯科助手をしているときには、研修講師としての思考ではありません。逆もしかりで、研修講師をしているときには、歯科助手をしている時に使う脳を使うこともありません。これがとても良い感じに作用していて、脳を強制的に切り替えることによって、リフレッシュできる感じがあります。
③教えられる側になって初めて分かる教える側のこと
歯科助手の仕事は技術的に教わることばかりです。教えてもらうと頭では理解できますが、技術的は追いついていないのでできません(当然です)。自分でやってみて、失敗して、すぐ教わって、またやってみて、その繰り返しです。この体験をしていると、今まで部下に教えて来た自分の教え方を「私の教え方ではわからなかっただろうな」と振り返ることがあります。また教えらえる側になって初めて「その言われ方は傷つく」とか「頭ではわかってるけど、できないんだもん」ということを感じるようになりました。私の年齢になると役職もあがり、なかなか人に教わるという経験ができなくなります。その意味でも、人から教えてもらう経験ができることは大変貴重です。
新しい世界に飛び込んだことは、想像以上に良い効果がありました。そして研修講師とは全く違う世界ですが、講師として役立つことが多く、すべてのことはつながっているんだと改めて感じます。そして、実は歯科の世界は大変興味深いです。人の歯ってすごい。歯の面白さも私が歯科助手をもう少し続けたい理由だったりします。