社員の能力を伸ばす人材育成【4つの質問】

先日、大分県佐伯市にお邪魔して「社員の能力を伸ばす人材育成」と題したセミナーを担当させていただきました。厚生労働省からの委託事業として開催されているもので「雇用管理セミナー」というタイトルが付いています。佐伯市の事業所さまが約10社集まる集合型セミナーですが、3週連続の開催となり、第2回目を無事に終えることができました。

「社員の能力を伸ばす人材育成」セミナーでは、北海道大学の松尾睦先生の「熟達の5段階モデル」のご紹介や社員のモチベーションをUPさせるヒントなどをお伝えするのですが、人材育成に関して、必ず受講生の皆様にお聞きする4つの質問があります。

①メンバーの5つのステージに沿った「望ましい行動」「成長目標」は明確ですか?

これは、「まさか漠然と「成長してほしいな~」なんて思っていませんよね?」という問いかけです。

「人材育成が必要だ」という声はよく聞きますが、メンバー一人ひとりに合わせた内容での成長目標を持っておられるでしょうか?【入社半年の営業職 田中君には、まずは一人でお客さまとお話しができるように商品知識を身に着けて自信を持って説明ができるように成長してほしい】【中堅社員の佐藤さんには時期管理職として全体を見て行動ができるような成長をしてほしい】などそれぞれに合わせた「成長目標」がないとメンバーさんたちは、何を目指して成長すればよいか分からなくなってしまいます。まずは上司側がその「成長目標」を明確にしてやることが必要です。

②メンバーの5つのステージに沿った「人材育成」をしていますか?

これは「いきなりハードルの高い要求をしたりしていませんよね?」という問いかけ」です。

松尾睦先生の「熟達の5段階モデル」にあるように、人は熟達者になるまでに5つの段階が必要です。

【松尾睦 熟達の5段階モデル】
熟達者:状況を的確に判断し直感的に正確な判断ができる
中堅 :微妙な状況の違いに対応することができる
一人前:未熟さは残るが一通りのことは一人で出来る
見習い:状況が少しずつ見えてくるが先輩上司の指導が必要
初心者:原則を理解しているが状況の違いが分からない

上記の熟達モデルに当てはめて考える場合、「初心者」でまだ状況の違いが分からない人に対して、「なぜ微妙な状況の違いが分からないんだ!」と「中堅」に求めることを伝えても無理があります。初心者から中堅になるまでには「初心者⇒見習い⇒一人前⇒中堅」という4つのステップを踏む必要があるのです。それぞれの段階に合わせた「育成」が必要です。

③どのように行動すれば成長できるかを一緒に考えて伝えていますか?

これは「「あとは自分で考えてね」なんて思っていませんよね?」という問いかけです。

半年か1年に一度程度ある面談で「キミには期待しているよ」なんて伝えて「じゃ、あとは頑張ってくれたまえ」なんてことにはなっていませんでしょうか?成長を促すためには、明確な成長目標とセットで「どうすれば成長できるか」という成長をするための行動を考えることが必要となります。具体的には「動詞で伝える」ということ。どのような行動を取っていけば、成長に繋がるのかを一緒に考えて伝えていきます。

④成長目標を「定期的に確認」する仕組みはありますか?

これは「メンバーさんが自分一人で勝手に成長する」なんて思っていませんよね?」という問いかけです。

成長目標と、その目標を達成するために必要な具体的な行動をを伝えたら、その行動がとれているか、何か問題はないか、改善が必要なことはあるかなどを「定期的に」に振り返る仕組みが必要です。面談をする、日報などを使って書いてもらうなどやり方はそれぞれですが、「ほったらかしにする」ということはやってはいけないことです。

4つの質問まとめ

①メンバーの5つのステージに沿った「望ましい行動」「成長目標」は明確ですか?
②メンバーの5つのステージに沿った「人材育成」をしていますか?
③どのように行動すれば成長できるかを一緒に考えて伝えていますか?
④成長目標を「定期的に確認」する仕組みはありますか?

いかがでしょうか?ご自分の会社やチームで「人材育成」というキーワードが生まれたら、まずはこの4つの質問を考えてみてください。人材定着を促す人材育成はこの4つの質問から始まります。

4つの質問に対して詳しく話が聞きたい、と思ってくださった方、答えが見つからない方、社内での人材育成などについて課題をお持ちの方、お気軽にご相談ください。

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