社員面談のヒント【発言量】

私は普段、大分県内では対面式の企業研修を行っておりますが、次回予定されている集合型研修では、社内で行われている「社員面談」や「評価面談」などの「面談技法」に関しても少しお話しをする予定です。最近は、「1 on 1 ミーティング」という名称も良く聞かれるようになりました。やはり「面談」という固くてあまり良いイメージのついていない言葉よりも「1 on 1 ミーティング」という言葉のほうが持つ印象が良い気がしますね。

部下面談・社員面談

「面談」という言葉を聞いた時に、どんな場面を想い描きますか?社内で行われている面談では、「上司と部下の面談」「年に一度の評価面談」などがすぐに浮かぶのではないでしょうか?それらの面談について、みなさんは面談をする側ですか?それともされる側ですか?

私は福岡で7年間管理職をやっていましたが、毎月一度、全社員と面談をしていました。社員一人ひとりの考えを聞き、困っていることを一緒に解決してきました。以前もブログで紹介をしましたが、社員自身の【今どこで、どこに向かって、あとどのくらい】を定期的に確認するための時間を持っていました。

定期面談の目的

一般的に上司と部下の定期面談の場合の目的は、「成果を出すために求めらえる望ましい行動」を引き出して行くことです。企業は企業理念の実現のために成果(利益)を出していかなければいけません。そのために、社員の行動を一緒に振り返り、成功体験を概念化したり、失敗を改善したりする必要があります。また、自分の仕事を通してどんなことを考え感じたのか、仕事に対する満足度や自身の価値観との紐づけも必要になります。

面談をする側の独演会?

そんな面談の時に一番重要になってくることは、やはり「相手の話を聴く」ことです。面談は「する側」が一方的に自分の意見を伝えて終わる、ものではなく、「受ける側」が十分に自分の考えや思いを言語化する中で、気づきを得ていくことが必要となります。その気づきに少しヒントを加えるのが「する側」の役目です。

しかし、この相手の話を聴く、ということができていない方が非常に多いのが現状です。私の職場でも以前、ある役員の社員面談に同席させてもらったことがありましたが、60分の面談時間のうち、45分以上はその役員がお話しをされていて、面談を受ける側は「まあ」「はぁ」「そうですね」くらいしか発していませんでした。そしてその面談が終わる頃には「まぁそういうことだからあとは大丈夫だね」と言って満足気におっしゃっていました。

この役員の方は、面談を受けている社員の一体何が分かったのでしょうか?何を考えていて、仕事の何に困っていて、これからどうしていきたいと考えているのか、ほとんど相手の話を聞いていないのに、どうやって理解するのでしょうか?

面談中の発言量の割合

面談をする側の方には、社員面談を録音してくださいとお伝えすることがあります。録音したものを聞き直し、単純に、自分と相手が発言している時間を計ってみるのです。どちらの方が多く発言するための時間を使っていますか?

まだ相手が面談に慣れていないときには、なかなか言葉が出ずに、気まずい無言の時間が流れることもあります。しかし、その時に、焦って自分がたくさん話をするのではなく、「今日の時間は●●さんの時間だからゆっくり十分に時間を取って考えてね」と声をかけて言葉が出るのを待っていきましょう。もちろんこの待っている時間に、携帯電話をいじったり、威圧的な態度になったり、時計をチラチラ見たりすることは禁止です。その時間はゆたりと構えて柔らかい雰囲気で相手を待ってあげてください。

ワークを通して練習

面談では、単に発言量の多い少ないだけが問題ではなく、相手の話を聴くときに、どのくらい純粋に相手の話を聴いているかも重要になってきます。黙って相手の話を聴いているけれど、頭の中では次に自分が何を言おうかと考えていて、相手の言葉が入ってこないことはよくあることです。次回の研修ではそんなことを体験していただくワークを通して「話を聴く」ということを考えていただく予定です。そのワークの内容については、また次回以降にご紹介していこうと思います。

今日は社員面談のヒントとして【発言量】について触れました。ぜひ面談をする側にあるみなさまには気にしていただきたいと願っています。

社員面談について、お困りごとがあったり、面談を練習していきたいとお考えの方はお気軽にご連絡ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です