アンコンシャスバイアス 無意識の思い込み
最近、企業や団体での研修で、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)についてお伝えする機会が増えています。企業の皆様がアンコンシャスバイアスについて学び、組織づくりやコミュニケーションの改善に活かしていこうとされることが多くなっていると感じ、とても嬉しく思っています。
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そもそもアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)とは?
アンコンシャスバイアス(unconscious bias)は「無意識の思い込み」と訳されていることが多い言葉です。
例えば、お店や公園で出会ったお子さんに「親が単身赴任なんです」と言われたとします。今、みなさんは、「父親」と「母親」のどちらが単身赴任だと想像をしましたか? 「単身赴任だからそれは父親のほうでしょう」と思われた方もいらしゃるかもしれません。しかし、それは実は私たちが持ってしまっている思い込みで、母親が単身赴任ということもあり得るわけです(私が20代の頃に派遣社員をしていた先の企業では、既婚でお子様がいらっしゃる女性が単身赴任で働いておられました)。
他にも「血液型で性格を判断してしまう」「〇〇県出身です、と言われるとお酒が強いと思う」など私たちは誰もが「無意識の思い込み」を持っています。
なぜ私たちはアンコンシャスバイアスを持っているの?
私たちが、アンコンシャスバイアスを持っている理由は、もうずっとずっと遥か昔、人が食べるため獲物を追っていた時代に遡ります。大昔、私たちの先祖は、獲物を追っていました。そのなかで、例えば、ライオンに遭遇した時に、実際に何度も襲われていたのだと思います。そのうちに、ライオンは襲ってくるから逃げなければいけないと学ぶようになります。そして、ライオンが目の前に現れると、まだ襲われないうちに(そして本当に襲われるかどうかわからなくても)「襲われるから逃げる!」という選択をしてきました。
私たちはこうして瞬時にさまざまな情報を判断して生活をしています。私たちの脳には毎秒1,100万件もの情報が入ってきているそうですが、意識的に処理ができるのはわずか40件ほどだそうです。ほとんどの情報を無意識に処理をしているということになります。この時に役立てているのがアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)です。
アンコンシャスバイアスの弊害
このようにアンコンシャスバイアスは私たちにとっては、必要なものではありますが、人と人とのコミュニケーションにおいては、アンコンシャスバイアスが弊害となる場合もあります。
例えば、産休をとっている営業部のAさん。「以前はバリバリの営業として活躍してくれていたけれど、産休が開けたら、少し勤務が楽になるように別の部署に異動させてあげよう」とAさんのことを考えている上司がいたとします。そしてAさんに確認をとらないまま、産休明けのAさんを別の部署に異動させました。しかし、Aさんは、営業の仕事を心から楽しんでいましたし、産休明けに営業部に戻って、お世話になっているお客様にもお会いできることを楽しみにしていました。そんなAさんなので、産休明けに営業部ではない部署に異動になったことに、とてもガッカリし、仕事へのモチベーションも下げることになりました。
上記の例は、「産休が終わったらきっと楽な業務や部署を望むはずだ」という上司のアンコンシャスバイアスが現れています。しかもこの場合、上司はAさんのことを想って、Aさんに良かれと思っての判断でした。しかし、Aさんにとっては・・・
企業や組織の中には、このようにアンコンシャスバイアスがたくさん潜んでいます。相手に対して「良かれ」と無意識に思い込んで行動をしてしまうことだけでなく、相手を無意識のうちに思い込んで評価していることもあります。
「仕事を任せてみたけど、ちっとも仕事が進んでいないようだ、あいつは仕事をサボっている」
「簡単な仕事のはずだけど、なんで終わらないのかしら、仕事ができない人なんだわ」
「上司に相談をしたいけど、どうせ私の話なんて聞いてくれない、私はきっと嫌われているんだ」
組織の中に潜む、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)は、いつのまにか、少しずつ組織のコミュニケーションを蝕んでいきます。でもこれは、お互いが少しだけ気をつけて「言葉にして」確認をすれば良いことですよね。
「任せた仕事、進んでないようだけど、何か困っていることありますか?」
「仕事が終わっていないようですが、どこか難しいポイントがありますか?よかったら教えてくれますか?」
「ご相談したいことがあります。お時間いただけますか?」
無意識に思い込まずに、言葉にして話をしてみると「実は・・・」や「もちろんいいよ!」などの返事が返ってくるかもしれません。
アンコンシャスバイアス研修の効果
このように研修を通してアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)について学んでいただき、「私たちは誰もが無意識の思い込みを持っている」「相手と私が考えていることは違うのだから、言葉で確認をしよう」という共通意識を持っていただきたいと思っています。研修を通して共通意識、共通言語を作ることで、組織で改めてアンコンシャスバイアスに気をつけることができるようになります。
アンコンシャスバイアス研修の目的は、組織のコミュニケーションの改善です。今よりほんの少し丁寧にコミュニケーションをとってみましょうということをお伝えします。皆様の組織のコミュニケーションはいかがでしょうか?
「わかって当たり前」「言わなくてもわかるはず」「それくらい分かるでしょう」「察してほしい」・・・こんなコミュニケーションが氾濫していませんか?もしそんな状態であれば、一度アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)に関する研修をご検討ください。
アンコンシャスバイアス研修は、組織コミュニケーションだけではなく、家族、友人との関係においても役立つ内容で、皆様とても楽しんで学んでくださいます。受講をされる皆さんにとっても「楽しくて役立つ」研修になっています。
アンコンシャスバイアス研修を受講された方の受講後アンケートより
・自分に当てはまることが多かった。大変だったこともあったため気が楽になると思った
・決めつけや押し付けが多かったと思う。相手を操るのではなく、対話をしていこうと思う
・無意識の決めつけをさまざまな場面でしていることに気づけた
・「自分にしかできない」という思い込みを外すことで会社全体の作業能力向上や業務の分散が図れると思う
研修は対面でもオンラインでも可能です。オンラインの場合は、大分県以外の全国の企業様で承ります。お気軽にご連絡ください。
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