【研修効果】報連相研修から見えるもの(意識の差を知る)

【悩み】若手社員の報連相について悩んでいます。こちらがほしいと思っている重要な報告がなく、特に必要のない報告がよくあります。どのように指導すればいいのでしょうか?

先日は大分県のある企業様で「報連相研修」を担当させていただきました。社長を含む役員3名と社員の皆様の全員参加型の研修です。テーマは報連相。大分に来てからご依頼いただく研修の中でも上位に入るテーマです。

上記の悩みは、多くの企業さまからご相談をいただく内容です。若手から報連相がないことも悩みだけれども、報連相があったとしても、「それ必要?」と言いたくなるような内容で、どうすればいいかわからないとおっしゃいます。確かに、リーダーの立場で言えば、報連相の内容をもう少し考えてよ、と思うことはあることです。

私は新入社員研修や若手3年目くらいまでの研修も担当させていただきますが、若手社員たちが思っていることを知るとこの悩みを解決するヒントがあります。それは、若手社員は「できればいつでも報連相をしたい」と思っているけれども「上司がいない」「上司が忙しそうで声がかけにくい」という悩みを持っていますし、「何をどこまで報連相すればいいかわからない」と話をしてくれます。

私がご提供する報連相研修では、この「意識の違い」を埋めていくことを大きな目的にしています。「報連相」などは社内でその質や量に関して問題だと声が上がったとしても「では報連相の質を向上させるための会議をします」というようなことはほとんどありません。通常、管理職たちは部下たちにモヤモヤしながら「報連相が足りん!」と思い続けるだけです。

報連相研修では、報連相とは何か、なぜ社内で報連相が必要かということをワークや講義を通して確認をします。そして、社内の報連相に関して円滑に進んでいる点、また円滑に進んでいない点をグループごとに話し合っていただきます。今回の全社研修では、グループ構成をあえて「役職者&ベテラン組」と「若手社員組」に分けました。それはそれぞれの意見を聴きながら社内で起こる「報連相に関する意識の違い」に気がついていただくためです。

報連相研修の後半では、社内で起こる報連相に関して優先順位をつけていきます。普段社内で行っている報連相に関して「A:重要で緊急」「B:重要だが緊急ではない」「C:重要ではないが緊急」「D:重要でも緊急でもない」という4つに分けていきます。

各グループ、普段、自分が行っている報連相を書き出して、緊急度と重要度を見極めるワークを行っていきます。A3サイズに印刷されたワークシートを使って緊急度と重要度を仕分けていく過程では「その報告はBだと思う」「いや、Aじゃない?」など様々な意見が出ます。このワークを通してまずは「自分の意識」と「他人の意識」の違いを感じていただきます。

そしてこのワークの後こそが、この研修の中心です。各グループの仕分けが終わったら、そのワークシートを隣のグループと交換します。今回で言えば、「役職者&ベタラン組」と「若手組」でワークシートを交換していただきました。

報連相の内容そのものはグループによって違いがあります。役職の階層が違えば、報連相の内容が違うのも当たり前のことです。そして、もちろん共通することもあります。そんな違いや共通を踏まえた上で、それぞれのワークシートを見てみると「違い」があることに気づけます。

例えば、若手社員グループが「B」に置いていたものに対して、役職者組では「これはAだよ〜」という感想が上がっていました。また、若手社員グループでは「B」に入ってるものが多かった反面、役職者&ベテラングループでは「D」に入るものが多くありました。

これが「社内で起こる報連相に関する意識の違い」です。役職者は「重要な報連相がない」と思っていますが、もしかしたら若手社員にはその報連相が「重要」だと思えていない可能性があります。この意識の違いを埋めていかない限り、社内で起こる報連相のすれ違いはますます大きくなり、いずれは大きな事故になる可能性すらあるのです。

研修を通して、お互いの報連相の意識に違いがあることを認識していただきました。そして、研修後に、この違いの溝を埋め、また重要度と緊急度に合わせた効果的な「報連相のやり方」を話していただく「宿題」を出しています。来月の研修で報連相に関して良い報告が聞けることを楽しみにしています。

研修は「知らないことを知る」ために行うだけではありません。このように社内の意識の違いを確認したり、統一したりできる場所です。これは「研修」という場所だからこそ生み出せるものだと思っています。研修を通して社内の意識を統一していく、また違いを知ってその違いを強みに替えていく、そんなことを多くの企業様で実現していきたいと願っています。

報連相研修などに関するお問合せはお気軽にメールからどうぞ。お待ちしております!

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