報連相を受ける側の3つの心構え

管理職向けの報連相研修を担当させていただくときのテーマとして「報連相を受ける側の心構え」というものがあります。管理職研修や報連相研修を担当させていただくたびに「若手から報連相があがってこないのは、若手の責任だけではありませんよ!受ける側にも責任があります!」とお伝えしています。

若手社員は「報連相したい!」

実は、新入社員を含めた若手社員は、いつも「報連相がしたい」と思っています。お気づきの方も多いと思いますが、若手社員には「失敗すること」をひどく恐れている人が多い印象があります失敗をしたくない、恥をかきたくない、だから何も行動しない、という図式が出来上がってしまうほどに、失敗は嫌なものなのです。ちょっと余談ですが、私が就職支援をしていた頃、集団面接練習をしていました。学生が5名から10名で一斉に面接練習を行います。この面接練習に出る前に「練習に出るための練習を個別で受けたいです」とお願いされることがしばしばありました。「みんなで練習をするときに、失敗をしたくないし恥をかきたくないから、練習に出るための練習をしてほしい」ということです。初めてこの話を聞いた時には、ずいぶんと混乱しましたが(笑)それくらい、失敗をしたくないのです。

そんな世代の若手社員達は、まだ仕事には慣れていないし、自信も持てない、できれば誰かに確認をしたいし、確認をしていてほしい、お客様はもちろん、先輩にも怒られたりしたくない。ミスも失敗もしたくない、と、いつも思っています。だから、彼らは「報連相をしたい」のです。でも、なかなか報連相がない、それは、「報連相をしない」のではなく「報連相ができない」のだと考えるべきだと思っています。

なぜ、報連相ができないのか

それは、先輩や上司が忙しそうにしているから遠慮をしているからです。声をかけてよいのか、ダメなのかの判断が付かないから心の中でずっと迷っています。もしくは、一度報連相に行ってみたけど、「は?何言ってるか分からない」などと返事をされて心が折れているからです。「報連相をうまくまとめないといけない」と何度も何度も自分の報告内容を見直して、書き直しています。または、先輩や上司が自分の顔を見てくれないからです。PCの画面を観たまま、聞いているのか聞いていないのか分からないような返事をされて、やっと自分の顔を見てくれたと思ったら、相手の顔が想像以上に怖くて嫌な思いをします。自分が何か悪いことをしている気持ちになっています。

報連相をしたいと思っていても、できない理由は先輩や上司側にあります。では、先輩や上司はどんな心構えで報連相を受ければいいのでしょう。

報連相を受ける側の3つの心構え

①どんな報連相であっても「報告ありがとう」を伝える

どんな内容の報連相であっても、報告をもらった後には「報告ありがとう」と一言伝えましょう。報告をもらったことをしっかりと受け止め承認することが大切です。もし、報告に対して注意が必要であれば、「ありがとう」を伝えた後に「今の内容についてだけど~~~」と話をすることが大切です。

②いつでも声がかけやすい雰囲気でいる

仕事中はいつでも声がかけやすい雰囲気でいましょう。怖い顔をしてPCをにらみ、一瞬のスキもなく忙しそうにしていると声をかけることができません。役職が上がれば上がるほど、忙しくなるのは分かりますがだからこそ空気だけは余裕を持っておかせることが大事です(という私も7年間、管理職として忙しくしてきましたので、この余裕を持つことがどれほど難しいことなのかは十分に分かっています)。どうしても仕事に集中しないといけない時、話しかけられると困る場合は「ごめんね。今から●時まではちょっと集中させてもらうね。報告がある場合はそれ以降にお願いします」と声をかけておきましょう。

③声をかけられたら、手を止めて顔を見る

当たり前のことですが、声をかけられたら、手を止めて顔を見て話を聞きましょう。それは相手に対して「話を聞くよ」ということを示す姿勢です。新入社員に対しては「上司や先輩の話は仕事の手を止めてから聞きましょう」と教えている会社は多いと思いますが、上司がそれをできている会社は実は少ないと思います。忙しいのは十分に分かりますが、手を止めて話を聞く、というのは「人と人」のコミュニケーションの基本です。あまりゆっくり時間がないときには、「5分しか聞けないけどいいかな?」と最初に時間の提示をしておくとよいでしょう。

報連相は勝手に増える

この3つがしっかりとできていれば、報連相は勝手に増えていきます。ここまで読んでいただくと「報連相」に特化している話ではなく、良い職場づくりのために意識しておこなうべきこと、だとお気づきになっていただけるのではないでしょうか?報連相はそれ自体を育てるものではなく、職場と職場内のコミュニケーションを育てていくものです。

職場やチーム内の報連相やコミュニケーションでお困りがありましたらお気軽いご相談ください。少しだけお役に立てるかもしれません。

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