全社員で取り組む「語彙力向上」読書のススメ
語彙力向上が必要な理由
現在、大分県内のさまざまな企業様に月に1〜2度、定期的な企業研修に伺っています。不動産 紺屋グループ様での研修では2年目となった今年、新しい取り組みとして「月に1冊以上の読書」とその本の紹介を行なっていただくようにしました。
以前のこのブログで、「主体的に考える人」を育てるためには、語彙力が必要だという話をしました。
これは、明治大学教授の斎藤孝先生が「国語力が身につく教室(大和書房)」という書籍の中で以下のように書かれています。
私たちは基本的に、自分の頭のなかにストックされた言葉で物事を考えています。つまり、語彙が少ないということは、思考する広さも深さも浅いということであり、書くときもしゃべるときも、思考が単純なままになってしまうのです。
齋藤孝著 「国語力が身につく教室(大和書房)」P54 より
齋藤先生が書いておられる通り、私たちは、自分の頭の中にある語彙を使って考えるので、語彙力がないと思考の幅も深さも狭くなります。そのため、いくら「自分の頭で考えてみて」と伝えたところで、その人が考えるに十分な語彙力を持っていなければ、考えることができないということです。
簡単に言ってみれば「やばい」という単語しか知らない人は、何を考えるにしても「やばい!」としか考えることができないということですね。こんな人に、いくらロジックに考えろと伝えたり、PREP法を学ばせたとしても、結果は「やばい」しか出てきません。
半ば強制的に開始した月1冊の読書
紺屋グループでは、去年の研修からこのことについて触れてきましたが、今年に入ってからは、参加者全員に「月に一冊の読書」を半ば強制でお願いしました。研修が終わるごとに、研修の振り返りを社内SNSに投稿してもらい、全員で内容を確認していますが、その研修振り返りと同時に、この1ヶ月で読んだ本についても共有をしてもらっています。
ちなみに、この社内SNSに投稿をしていただく研修の振り返りですが、もちろん講師も全員分に目を通し、すべてにコメントを入れています。
ある社員さんの大きな変化
去年から研修に参加をしてくださっているある営業の方は、研修で私が「本を読みましょう」「語彙力を増やしましょう」と話をするたびに「いや、本を読むの、本当に苦手なんです」「漫画じゃダメですか?」「動画や映画でもいいですか?」と繰り返し「苦手です」アピールをしておられました。
しかし、今年になって、グループ全体での研修で半ば強制的に本を読まなくていけなくなってから、その方も毎月、自分が読んだ書籍を紹介してくださっています。しかも、本の紹介だけではなく、本に書いてあったことを実践している様子も併せて教えてくださるようになりました。
毎月、欠かさず読んだ本の紹介ができているので「あれだけ活字が苦手だとおっしゃっていたのに、読書が継続できているようでとてもうれしいです」とお伝えをすると「本を読む時にゾーンに入る感じがあって、それが楽しくて本を読むのが楽しくなりました」と教えてくださいました。
これは、とても大きな変化です。今まで「活字は苦手」と避けてきたものを、それでも半ば強制的に本を読むようになったら、本を読むことの楽しさを知って、本に書いてあることもどしどし実践しているのです。彼の生活に読書が加わったことも大変うれしいことですし、これからもますます読書の幅が広がり、語彙力や思考力が鍛えられていくことも楽しみです。
書籍の紹介は研修前のプレゼンでも
書籍の紹介は、研修の振り返りだけではなく、研修中にも行なっていただきます。紺屋グループの研修では、研修の司会者を毎月社員の皆さんが交代で担当をしてくださっていますが、その司会者も、自分のおすすめの本をみんなの前でプレゼンするようにしています。
今日の司会の方は、小説を紹介してくださいましたが、ホワイトボードを使いながら、小説の全体像を紹介してくださって、社内で語彙力を増やすために、まずは興味がある本を読みましょうとプレゼンをしてくださいました。これも大変うれしいプレゼンです。
読書&全体研修の効果
会社全体が、少しずつ、当たり前に本を読む文化になっていくと、社員の皆さんが持つ語彙力が増え、知識量が増えます。そして、読書から得た学びを共有し合う時間があることで、その知識は個人のものから会社のものに広がっていきます。これは圧倒的に会社にとっての財産です。
組織全体が学び合う文化を持っていることはそれだけでとても素晴らしいことですし、それだけでも他社との大きな差別化になっていきます。
私が企業様と一緒に作りたいと願っている研修は、一方的に講師が話をして、ただ皆さんが、新しいことを学ぶだけの研修ではなく、一緒に企業文化や学びの文化を作っていくということです。読書をする習慣を作ることもその一つです。これが全体で行う研修が及ぼす大きな効果です。
会社メンバーを一つにしたい、未来に向けて社員様お一人お一人が学ぶ文化を作っていきたい、全体のレベルアップを図っていきたい、そんな思いがおありの時にはぜひ全体で行う研修導入をご検討ください。全体研修は、きっと良い効果を発揮します。
全体研修はいつからでもスタートできます。
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