新入社員研修の進め方

3月も後半となりました。ここ連日、4月に予定をされている新入社員研修に関してのお打ち合わせが続いています。今日は研修のお打ち合わせでよくいただくご質問「研修の進め方」についてお知らせします。

研修の進め方

4月の研修お打ち合わせでの中でも、企業の皆様がご心配なさるところに「研修形式」「研修の進め方」があります。つまり、研修はどんなふうに進んでいきますか?という内容です。具体的には「研修は講義形式で、受講生はずっと話を聞いているだけですか?それとも、グループワークなどはありますか?」というご質問です。

私の研修は、基本的には以下の図のように進みます。

新入社員研修では「学生と社会人の違いを知る」「組織内コミュニーションを考える」「社会人に求められるビジネスマナー」「6分野の目標設定」などさまざまなカテゴリーで学びますが、基本的には写真の図のようなステップで進んでいきます。

個人ワークからグループワークへ

例えば「学生と社会人の違いを知る」というカテゴリーであれば、カテゴリーの最初に「学生と社会人の違いってどこになると思いますか?」という問いかけをします。その後、1分〜2分程度「個人ワーク」の時間として、個人で考えてワークシートに書き出してもらいます。ある程度、自分の意見を出してもらった後に、グループワークやペアワークをしながら意見交換をしてもらいます。お互いの意見を聞き合って自分になかった点を見つけたり、同じ意見を深掘りしていきます。

この時に「なぜ個人ワークを行うのですか?」というご質問をいただくことがありますが、新入社員研修では、お互いが知り合ってまだ日が浅く、いきなり自分の意見を言ってください、と伝えても意見はほとんど出ません。一度、個人ワークの時間に考えを整理しながら書き出していったほうが、グループワークにスムーズに入っていけるからです。

自分たちの意見発表

グループワークの意見は代表者に発表をしてもらいます。私の研修では、この代表者は毎回ジャンケンをして決めています。勝った人が発表者です。時々、とてもジャンケンが強い人がいて、毎回発表者ということになってしまうこともあるので、一度発表をした人はお休みをして、未発表の人でジャンケンです。毎回このジャンケンはとても盛り上がります。こうやってワイワイ声を出し合いながら発表を促していきます。皆が静かに聞いているだけの会場で自分たちの意見を発表するのはとても緊張するものです。このジャンケンで「最初はグ〜、ジャンケンポン!」と皆で声を出すだけでも発表のしやすさが変わってくるのです。

もちろん、新入社員研修の場合は、人前で発表することに慣れていない人もいますが、これも一つの練習です。皆の前で発表をした人には皆で拍手をします。各グループの意見を見ながら追加の意見があれば回収します。

上記のカテゴリーの場合、よく出る意見としては「責任感の違い」「自分で使える金額が増える」などがあります。

講義と気づきの言語化(まとめ)

グループで出してもらったそれぞれの意見を踏まえて、学び(講義)に入ります。学生と社会人の違いでは、「利害関係のあるなし」「年代と価値観の相違」などに加え、最も違う点として「学生の頃のお金を払って学ぶ立場からお金をいただきながら学ぶ立場」に変わるということなどを伝えます。その上で社会人は「会社に求められる成果を出す必要がある」ことを理解してもらいます。

スライドを使いながら講義をした後に、質問や疑問が浮かんでいないかどうかを聞き取り、質問へは回答したうえで、それぞれが手元の資料にある「研修のまとめ」というページに自分の言葉で講義内容から「気づきの言語化(まとめ)」を行います。そして再度グループの中で、自分の意見を共有です。

新入社員研修の流れ

気づきの言語化(まとめ)と共有が終わったら、先程の講義の中で触れた「新入社員が求められる成果とは何があるんだろう」ということを考える次のカテゴリーに入ります。このカテゴリーでも、研修は「問いかけ」→「個人ワーク」→「グループワーク」→「学び(講義)」→「気づきの言語化(まとめ)」→「共有」という流れで進みます。

研修が1日研修だった場合、このカテゴリーは5〜6つになりますので、午前中で約3つ、午後で約3つということになります。午前中が終わった時点で3つの気づきの言語化(まとめ)が出来上がっている状態です。そのため、午後の研修に入る時には、午前中の「気づきの言語化」を見直し、午前中の学びがどのようなものだったかを整理します。

研修はこのように個人ワークとグループワークを交互に、またインプットとアウトプットを繰り返していきます。そうすることによって、学びを定着させていきます。学んだことを言語化し、まとめ整理する。この作業がある研修とただ話を聞いて終わる研修では学びの定着は大きく変わってくると思っています。学びは、ただ話を聞いて終わりではなく、自分の中で落とし込みをして共有をし、また落とし込むことでやっと(それでも少しだけ)定着するものだからです。

新入社員研修では、まだお互いが緊張しているため、グループワークでもなかなか意見が出ないこともありますが、個人ワークとグループワークを繰り返しているうちに(またジャンケンで声を出しているうちに)、活発な意見が出てくるようになります。研修の最後では皆がとても良い顔になります。もちろん、講師は受講生のおひとりお一人が自分の意見を言えるように、一人ずつに問いかけをして、意見を聞き、皆からの拍手を持って承認をすることを積極的に行っていきます。

22年度春の新入社員研修に関して、まだご計画がお決まりではない企業さまがおられましたら、今年は自社開催をされませんか? 新入社員お一人お一人の特徴を講師が捉え、その後に必要なフォローに関してもお伝えをします。

お気軽にお問い合わせください。

お問合せ(メール)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です