22年卒 内々定辞退 昨年より2.5倍増加

全国的に(そして一般的には)多くの企業様では、22年卒の学生に関して、内定出しが終わり、23年卒インターンシップが動き出している頃だと思います。しかし、大分県の企業様の中には、今から本格的に22年入社の学生選考が動き出すという企業様もあると思います。就活をしている学生の動きは例年、都心部の学生より動きが遅くなることから、地方の企業様ではギリギリまで採用活動が続く状況になっています。

先日、株式会社学情(本社:東京都千代田区・大阪市北区/代表取締役社長:中井清和)が、企業の採用担当者を対象に、採用活動に関するインターネットアンケートを実施したという記事を読みました。「内々定辞退・選考辞退」に関して調査しているもので、内々定辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業は、34.4%に上り、2021年卒採用(同13.8%)の2.5倍となったという興味深い数字が出ていました。

【採用担当者アンケート】内々定辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業は、昨年同時期の約2.5倍に。企業の採用意欲の高まりと、「複数の内々定保有」に抵抗を感じ…

【TOPICS】 (1)内々定辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業は、昨年同時期の約2.5倍に (2)内々定獲得者の平均内々定数は、2021年6月時点で2社を上回る (3)選考中の辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業が35.1%。「昨年より減った」は13.0ポイント減 【調査の背景】 …

注目した2つの調査結果

本日、注目したい数字は以下の2つです。
1)複数の内々定を保有することに抵抗がある・・・約4割(21年6月アンケート実施)
2)選考辞退者数は「昨年より増えた」と回答した企業は、35.1%、2021年卒採用よりも20.7ポイント増加

内々定を持つことに”後ろめたさ”を感じる学生

1)複数の内々定を保有することに抵抗がある・・・約4割(21年6月アンケート実施)ということに関して、複数の内々定を保有することに抵抗があると回答をした学生の主な理由は、以下のようなものだそうです。

・自分が内々定を持っていることで他の学生の採用のチャンスを奪うことになってしまう
・自分のせいで、本当にその企業に入社をしたかった誰かの席を奪っていると感じる
・入社する企業は1社なので早めに辞退したほうが後ろめたさがない

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000757.000013485.html

私にとって、この学生が感じている”後ろめたさ”は非常に衝撃でした。なぜなら、私がメインで就職支援をしていた頃は、複数内定を持つことに関して”後ろめたさ”を感じる学生には出会ったことがないからです。さまざまな時代背景は影響していると思いますが、複数内定は自分の「実力の証」と感じている学生が多かったような気がしています。もちろん彼らも、内定獲得だけを目的とした就活をしていたわけではありませんし、いたずらに内定を保持することはしていませんでしたが、それでも複数内定に関して”後ろめたい”という言葉はありませんでした。

選考に進む前に決めている?

また、2)選考辞退者数 に関しては、選考辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業は、35.1%となっており、21年卒採用よりも20.7ポイント増加しているそうです(「昨年より減った」の回答は、21年卒採用時よりも13.0ポイント減少)。前述の内々定辞退だけでなく、選考段階での辞退も増加しているといえます。

この企業の選考辞退が増えたという調査では、22年卒学生は、「1社1社の企業研究を丁寧に行う傾向」があると分析されています。セミナー参加後に選考に参加しなかったと回答した学生が約9割に上るという分析 もあり、選考参加企業を絞りこんでいることも、選考中の辞退者の増加につながっていると推察されると記事にありました。

この調査からは、もちろん、学生が1社ずつ丁寧に企業研究をしているということもいえますが、それ以上に選考に参加する前に、企業の”良し悪し”を決めていることが分かると思います。企業説明会やセミナーに参加した上で「選考に進まない」というのは、説明会やセミナーの雰囲気(もっというなら人事や担当者の印象)で企業全体の雰囲気を判断しているとも言えると思います。

メインで就職支援をしていた時には、説明会や選考で対応してくださる人事の雰囲気だけで企業を判断しないようにと学生に伝えていました。これはネガティブ要因だけではなく、ポジティブな意味でもです。「人事が良い人だったから」「あの人事と一緒に働きたいから」という理由で内定承諾をする学生も少なくありませんが、ほとんどの場合、入社後に配属される部署は人事部ではありません。

今回の話はその逆で、説明会やセミナーの雰囲気や人事の印象で企業を判断してしまっているケースも多いのではないかと思いました。説明会やセミナーでなんとなく「?」と思った点を確認する場所が「選考」です。選考は企業学生を選ぶ場だけではなく、学生側も自分の疑問を解消していく場でもあるからです。

しかし、その「?」を解決しようとする前に、選考に進まないという判断をしていることは非常に惜しいことだと思います。違いや違和感は悪いものではなく、その違いや違和感に触れることで自分の価値観に改めて気づくこともできます。その上で、やっぱり違うのであれば早めに選考辞退をすれば良いと思うのです。

対話をする前に、相手のことを判断し、関わりを持たずに終わると行為は、なんとなくですが、Twitterなどで「意見が合わない人は即ブロック」という行為に重なってしまいました(もちろん誹謗中傷などは即ブロックで良いと思っていますが・・・)。

企業側ができること

特にこの「セミナーに参加した後に選考に参加しなかった学生が9割に上った」という記事から企業側としてできることはどのようなことがあるでしょうか?

売り手市場・買い手市場に関わらず、”優秀な人材”に自社に来てもらうためには、説明会やセミナーでの企業としての「在り方」が非常に大切だということが分かると思います。また説明会やセミナーだけでの情報発信だけではなく、その前から「学生とコニュニケーション」をとっておくことも重要です。今の時代ではありきたりな意見になりますが、SNSを通した情報発信、その情報の質は学生へ与える印象を大きく左右するということが言えると思います。

コロナ禍の恩恵としてオンライン選考

私は大分県を中心に研修をさせていただいておりますが、このようにSNSでの情報発信やSNS採用の話などをすると「いや〜うちは必要ないですよ」と言われることが少なくありません。採用人数も少ないし、地元の学生を中心に採用するから必要ないとおっしゃいます。

しかし、コロナ禍は選考に「オンライン」をいうツールの導入を余儀なくさせました。これは確かに不自由に感じる点でもありますが、同時に恩恵でもあります。オンライン選考は選考対象の学生が「地元」から「全国」に広がるからです。また同時に、忘れてはならないことは、今までは全国の企業(特に有名大手企業)への選考を「地方にいる」という理由で諦めていた「地方の優秀な学生」がオンライン選考によって都心部に流れていくという意味でもあります。

そのような状況で、いつまでも昔のままの採用活動では、確実に人を採用することが難しくなります。地方の企業こそ、採用に今まで以上の時間と費用を割いていく必要がありそうです。

人手不足をどう乗り切るか

すでに多くの企業では人手不足の状態だと思います。またコストをかけた採用をしても離職が続けば意味がありません。自社の理念に共感し、主体的に活躍してもらう人を育てていくためにも、理念に近い価値観を持っている人を採用する、また採用をしたら育てる。そして良い採用活動をするために、採用の方法を変える、そんなことを本気で取り組んでいただきたいと思います。

採用と育成は簡単ではありません。やろうと思うけど、何からやれば良いか分からない、そんな時はお気軽にご連絡をください。一緒に考えていきたいと思います。

お問合せ(メール)

22年卒内定者研修や23年卒新入社員研修に関するご相談も随時受付中です。22年卒内定者研修に関しては日程の予約が始まっております。内定者研修を導入されたことがない企業様はぜひこの機会に研修の導入をご検討ください。

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