7つの習慣読書会「パラダイムの力」
日時:2020年5月30日
箇所:完訳 7つの習慣 P15~P23 「パラダイムの力」
毎週土曜日は「7つの習慣」読書会の日です。5時50分から6時30分までの40分間、福岡、大阪、東京などそれぞれの土地に住む仲間と一緒にzoomをつないで読書会を行っています。今回は、私は、自宅のWi-Fiが使えなくなってしまったため、福岡の参加者に電話をつないでもらって音声だけでの参加となりました。これはこれでとても新しい発見があり良い時間でした。
本日のテーマは「パラダイムの力」
まずはパラダイムとは? 7つの習慣P15によると以下の通り
パラダイムという言葉はギリシャ語に由来している。~中略~平たく言えば物事の「見方」であり、物事をどう認識し、理解し、解釈しているかである
コンテンツ
老婆か若い女性か
書籍のなかでは、有名な「老婆と若い女性のだまし絵」が紹介されています。
「黒のラインと白の余白」という同一の事実の中に描かれた絵は、見る人によっては老婆に見え、もう一方の人には若い女性に見えるというものです。大学の講義の中で、老婆か若い女性かの絵をそれぞれ最初に10秒間見せられた学生たちは、その後、その2枚の絵の合成を見ても、最初に老婆を観た人にとっては老婆に見え、最初に若い女性の絵を見た人にとっては若い女性にしか見えなくなってしまっています。学生たちはそれぞれの「見え方」に対して「老婆だ」「美人な若い女性だ」と意見を交わし、一向に話がかみ合わなず対立したまま授業が進んで行きます。書籍には「自分の意見が正しいと信じて疑わず、相手の意見を認めようとしなかった」とありました。
ライン箇所
本日、私がラインを引いた箇所は、上記の話の後に続く以下のところ
そのうち二人は具体的な相違点を冷静に指摘し始め、二つのイメージがぴったり重なると、ようやく相手の見方を認識するに至った。冷静になって相手の意見を尊重し、具体的な事例を挙げてコミュニケーションを進めていくことで教室にいた学生全員が相手の視点から絵を見られるようになった。しかし、スクリーンから一旦視線を外し、また視線を戻すと、最初に10秒間見せられていたカードの絵のほうに見えてしまうのである
このライン箇所からは2つのことを感じました。
「冷静になって相手の意見を尊重し、具体的な事例を挙げてコミュニケーションを進めていくこと」の重要性
お互いが同じものを見ながら、違う「見え方」にあることは、この社会では珍しいことではないと思います。自分が正しいと思いこんで議論を交わすことも多くあります。どれだけ相手と議論をしても平行線のまま、なんで相手はわかってくれないんだ!となることもよくあることです。しかし、その中で、【冷静になって相手の意見を尊重する】こと、そしてそのうえで【具体的な事例を挙げてコミュニケーションを進めていくこと】で相手の見え方が見えてくると教えてくれています。まずは、相手を尊重すること。自分の意見と違う相手を尊重するのは難しいことのように感じますが、まずは冷静になって尊重する、そしてそのうえで「具体的な事例をあげて」コミュニケーションを取ることがやはり大事なのだと学びました。書籍では、お互いが絵の中のラインを指でなぞりながら「若い女性のネックレスだ」「いやそれは老婆の口だ」というやり取りがあります。こうやって、何をどう見えているのかを相手に伝えていくでしかお互いの相違は見えてこないということです。
すぐに戻ってしまう私たちの視点
【スクリーンから一旦視線を外し、また視線を戻すと、最初に10秒間見せられていたカードの絵のほうに見えてしまうのである】とあるように、冷静に相手を尊重して具体的な事例を挙げてコミュニケーションを進めていたとしても、一旦視点を外してまた絵を見てみると、見えていたはずの相手の視点ではなく、やはり自分が見えていたものにしか見えないということも、覚えておくべき点だと思いました。どれだけ丁寧にコミュニケーションを取って、それぞれの見え方を理解できたとしても、やはり私は私の見え方でしか、見ることができなくなってしまうのです。書籍では「わずか10秒間の条件付けでさえ、見え方にあれほど影響するのだから、これまでの人生でたたきこまれてきた条件付けの影響たるや、どれほどだろうか」とありますが、本当にその通りだと思いました。お互いがお互いの長い人生の中で条件付けられてきているのです。すぐに自分の見え方に戻ってしまうこと、そしてその見え方をもって相手を裁いてしまっている可能性があることを忘れてはいけないと思いました。
講師として
今日の読書会からも企業研修を担当させていただいている講師として学ぶことが多くありました。職場内の人間関係のゴタゴタのほとんどは、きっとこの「見え方」の相違によるものです。そして、その相違を認識し認め合うためのコミュニケーションがなされないままどちらか一方が辞めていくという、もしくは深い深い溝ができてしまうというものではないでしょうか。企業では【一人では実現が困難と思えるような企業理念の実現のために】世代、性別、育ってきた環境のあまりにも違う人たちが【協働】しています。いくら理念の実現という目的があったとしても、そこでは「見え方」の違うが生まれて当然です。まずは、お互いに「見え方が違う」ということを認識し、その相違を認め合うために「冷静になって相手の意見を尊重し具体的な事例を挙げてコミュニケーションを進めて」いく必要があるのです。上司だから部下に対してマウントを取る、若手だから上司に対して「理解してもらえないと諦める」のではなく、お互いの意見を尊重し合う、そして、お互いに時間をかけてコミュニケーションを取っていく、それしかないということをお伝えしていきたいと思っています。
最後に
本日の箇所は以下の文章で締めくくられています。
自分の頭の中にある地図、思い込み、つまり基本的なパラダイムと、それによって受ける影響の程度を自覚し、理解するほど、自分のパラダイムに対して責任を持てるようになる。自分のパラダイムを見つめ、現実に擦り合わせ、他の人の意見に耳を傾け、その人のパラダイムを受け入れる。その結果、はるかに客観的で、より大きな絵が見えてくるのである。
自分と違う意見を持つ人と出会うときに、はるかに客観的でより大きな絵が見えることを楽しみにできる人間でありたいと思っています。