【人材育成】主体性を育てる方法

【悩み】
チームメンバーが言われたことしかやりません。もっと全体像を考えて自分から動いてほしいのですが、どうすればよいでしょうか?

大分県を中心に【人材定着のための職場づくりと人材育成】というテーマで研修をさせていただいています。人材定着のための職場づくりと人材育成は「セット」で考えるべきことであって、どちらか一つだけを進めていってもうまく機能しないと考えているため、このテーマの研修は「職場づくり」と「人材育成」を2回に分ける形で実施をしています。

多くの企業に共通する願い

「人材育成」に関してお伝えする回では、「チームメンバーにどのように育ってほしいですか?」とお聞きするワークを取り入れます。個人ワークの後に、グループで意見交換をしていただきますが、ほとんどのグループで以下のような意見が出てきます。

・一つ言われたら一つのことしかできない、もっと広い視野を持って仕事をしてほしい
・仕事の全体像をつかんでから自分で必要なことを見極めて動いてほしい
・言われなくても自分から仕事を探してやってほしい

上記のような意見を一言でまとめてしまうと【主体的な人に育ってほしい】ということでしょうか。研修を実施していると「主体性はどうやったら生まれますか?」と質問をいただくこともあります。

管理職のみなさまにとっては、社員に主体的に育ってほしいというのは共通の願いかもしれません。そこで、今日は主体性の生まれる職場づくりについて書いてみたいと思います。

主体性と自主性の違いは?

そもそも「主体性」と「自主性」にはどのような違いがあるのかを確認しておきます。

【主体性】
自らの意思や判断に従って行動すること、もしくは行動するさま。判断を下すうえで最も重視されることは「目的」。「何をするか」を考えるのではなく「何のために行動するか」について考え明らかにすること。

【自主性】
他人から言われたことを率先してやること。「やるべきこと」を他人からの働きかけや指示、あるいは干渉の前に行うこと。

上記から分かるように、自主性は「やるべきことを言われる前にできる」ことであり、主体性は「やるべきことだけでなく、必要なことがあれば自分の意思や判断に従って行動をする」ことです。

自主性を育てるには恐怖政治?

あるアミューズメント施設では、本当にとてもよく働く社員さんたちがいました。彼らは、朝早くから夜遅くまで感心するほどに良く働きます。やるべきことを毎日きっちりと終わらせます。決められたことに関しては、テキパキと動き片付けていきます。しかし、残念なことに、彼らの仕事は「言われたこと」をきっちりとこなすことだけです。

例えば、自分の持ち場に行く途中に強風で飛ばされたゴミや木の枝が散乱していても、それらを拾ったり掃除をしたりすることなく、完全無視の状態で持ち場まで直行します。持ち場での仕事が終わると、またゴミを無視した状態で別の場所に移動します。

実は、彼らの社長はとてもとても怖い方で、恐怖で社員さんを支配していました。完全にトップダウン型のワンマン経営です。社員さんたちは、指示されたことを守っていなければ、長時間攻め続けられました。人格を否定する言葉を大声で聞くのは日常のことです。

そんな毎日で社員さんたちが仕事をする理由は「社長に怒られないように」というだけでそれ以上でもそれ以下でもありません。だから、彼らは散乱した小枝やごみを見ても片付けることはしません。それは自分の仕事ではないですし、やってもやらなくても(その時は)怒られないからです。

そのようにゴミを無視して歩いているところを経営者に見つかり大声で「ゴミを拾え」と注意を受けると、彼らはゴミを拾います。それは「言われたから」です。その辺り一面に落ちているゴミはキレイに拾います。「やるべきことを率先して」行っています。しかし、しばらく進んで、別の場所に同じように風で散乱したゴミが落ちていたとしても、そのゴミを拾うことはありません。それは「言われていない」からですし、今は社長が見ていないので「怒られない」からです。

そんな社員さんいる?と思われたかもしれませんが、これはある実在の企業さんの話です。この企業のように恐怖政治で支配をすると、言われたことをしっかりとやる社員さんを育てることはできます。やるべきことだとインプットしてしまえば、それは言われる前からやるようになります。しかし、それ以上のこともそれ以下のことも行うことはありません。

主体性を育てるには?

では、主体性を持ったメンバーに育てるにはどうすればよいのでしょうか?先ほどの恐怖政治の会社に学べることは、社員さんが仕事をする目的が「怒られないように」ということだったということです。実は、この「目的」というものが、主体性を育てるキーワードになります。

例えば、みなさんが楽しい休日を過ごす時に「のんびり温泉に行く」という場合と「スポーツをして思いっきり身体を動かす」という場合では、それぞれ準備するものが違ってくると思います。

温泉に行くのであれば、のんびりお風呂に入って身体を休めることが目的となるでしょうから、お部屋での休憩にはお気に入りの本を一冊持っていくかもしれません。

一方スポーツをして思いっきり身体を動かすのであれば、身体を動かして汗をかいて、リフレッシュするということでしょうから、のんびりと読書するための本は持ってはいかないと思います。

人は「目的」が分かるとそれにふさわしい準備をしまし、、行動を起こします。この「目的」を伝える、理解させていくことが「主体性を育てる」ためには必須となるのです。

企業の目的

職場で主体性を育てるために目的を伝えるということはどういうことでしょうか? 私は「企業の存在意義」「仕事の意味」を伝えていくことだと思っています。「自分たちの勤めている企業が何のために存在しているのか」「私たちがやっている仕事にはどんな意味があるのか」もう少し言うと「誰に役に立っているのか」ということです。

そのことをしっかりと理解することができたら、自分の仕事の目的が分かりますので、自分で考えていくことができるようになります。例えば、先ほどの散乱した小枝やゴミを拾うという行為も、「私たちの企業はお客様に非日常の時間を過ごしてもらい楽しい思い出を作ってもらいたい」という目的がはっきりと理解できていれば、小枝やゴミが散乱している状態ではお客様には非日常の楽しい時間はご提供できないと考え、自らゴミを拾うはずです。またゴミを拾いながら、壁が汚れていることに気が付けば、壁の掃除をするでしょうし、お客様が何か困っておられる様子であれば、自らお声がけをするでしょう。

企業の存在目的=企業理念

多くの企業の場合、なぜ企業が存在しているのかということは「企業理念」に明文化されています。この企業理念を基に、各事業部でどのようなことに取り組んでいくかが考えられ、戦略となって計画が立てられます。

この企業理念の浸透には時間がかかりますし、何度も何度も、恐ろしいくらい何度も言い続けないと社員には伝わりません。そして言うだけではなくて、その理念と会社が求める行動が具体的に紐づいていかなければいけませんし、そこに人事評価が付いてきます。

これは一年程度ですぐにできる話ではないので、とても大変なことではありますが、一度しっかりと理念が浸透して、社員に求める行動に紐づいてしまえば、一人のメンバーの行動が小さな波紋となって、まわりの人に影響を与える大きな波紋に広がっていき、結果的に、メンバーさんたちが主体的に動けるようになっていきます。

「何のために」という目的を伝える、また確認し合う、理念勉強会やお客様からいただく声をもとに自分たちの仕事の意味を考えていく、そんなことを時間をかけて繰り返していきながら、ぜひ主体性を育てる人材育成を実現していただきたいと願っています。

研修では、主体性を育てる人材育成の具体的な方法をお伝えしています。また理念を浸透させるための研修なども行っています。社員やメンバーさんの育成に関して課題をお持ちの経営者、管理職の方はお気軽にご相談ください。ご相談は何度でも無料でお受けいたします。

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