講師の裏技?【Q&Q】

先日、オンラインセミナーで東京の方への個人レッスンを担当させていただきました。お仕事上の悩みをお聞きしながら「えがおさんだったらどうしますか?」とご質問をいただいたことがあるので、今日はそれをみなさんと共有したいと思います。

専門分野以外の質問に焦る

その方の悩みは【会議の場面やチームに教えている時に、突然質問をもらうことがある。自分の専門分野のことであればすぐに回答できるが、それ以外のことには自信を持って回答することができずに、焦って緊張してしまう】というものでした。

きっとどなたにでもある悩みですよね?
専門分野のことであれば回答できるが、それ以外になると自信がなくて緊張して、声が小さくなったり、早口になってしまうということ。でも、考えてみると当たり前のことかもしれません。

研修講師も焦ります

私は研修講師として活動をしておりますので、一般的なお仕事の方より、人様の前に立ってお話しをする機会が多いのですが、この「質問に答えられず焦る」パターンは実はけっこうあることです。研修中に質問をいただき、自分の専門分野ではない場合、早く答えなければと思いつつ良い回答が浮かばない。質問の回答を待つ皆さんの視点は私に集中していますし、下手なことは答えらえない、と思うと、どんどん焦ってきます。講師を始めてすぐのころは、「質問には何としてでも答えなければ!!」と思ってずいぶんと無理をしました。

質問は受けるけど自分で答えてしまわない

しかし、ある施設に企業研修に伺った時に、その企業のトップの方から
「貴女の研修はとても素敵だと思う。だけど、もっと余裕のある研修ができるといいね。質問を受けてもそれを全部自分で応えてしまわずに相手に答えさせたらいいんだよ」と言われたことがありました。

質問を受けるけど、全部自分で答えてしまわない
「???」が浮かんだお話しでした。

そのトップが教えてくださったのは、「講師だからと言って質問に全部回答できなくてもいい」「実は参加者の中にこそ、その質問に対して自分より詳しい知識や情報を持っている人がいるかもしれない。だから受講生に答えてもらったらいいよ」ということです。

言われて見るとまったくその通りだと思います。私は講師として皆さまの前に立っていますが、しかし、私は全知全能ではありません。知らないことのほうが多いわけです。そんな時に、自分に答えられない質問が来たら「みなさんはどうお考えになりますか?」「みなさんの中で今の質問に回答できるかたいらっしゃいますか?」と受講生の皆様に問いかけても良いのです。私はこれを【Q & Q 】と呼びます。「質問に質問をする」というやつです。

講師が答えなくていいの?という疑問が聞こえそうですが、この場合、押さえるべきものは「講師が回答する」ことではなくて「質問の回答が出る」ことです。質問の回答が出るのであれば、その回答者は講師でも受講生でもかまいません。ただし、(もちろん質問内容によりますが)講師としてはほかの受講生からの回答をいただいた後には、そのことへのお礼とそれに加えて、講師の視点をお伝えすることをお忘れなく。

昨日のオンラインセミナーでは「ちょっと講師の裏技的な話なんですが」と前置きをしたうえで、上記の話をしました。受講生の方は大変驚かれながら「確かに言われてみると私が全部応える必要はないですね。もっと詳しい人がその場にいれば聞いてみます。あぁ気持ちが楽になりました」とおっしゃっていました。

質問の内容やレベル感にもよると思いますが、自分の専門分野以外の質問が来て困った時には【Q&Q】をぜひやってみてください。

企業研修だけではなく個人レッスンなどもやっております。ご興味のある方はお気軽にHPまでお問い合わせください。

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