新入社員研修に見れる素直な反応
私は大学生向けの就職支援を7年間やっておりましたが、その間に、内定者研修や新入社員研修をさせていただくことも多くありました。また、現在は大分県を中心にフリーの研修講師として活動をしておりまして、新入社員研修も担当をさせていただいております。
つい数週間前まで大学生だった彼ら彼女らは、「学生」という環境で、それぞれの価値観で生きてきています。その中で就活を頑張り、希望の企業に入社をして、新たに踏み出した社会人としての毎日に不安や希望の入り混じった感情を持って研修に参加しています。
そんな新入社員研修を担当するときには、これから社会人として、また企業に所属する組織人として、大切にしてほしい気持ちや考え方をお伝えしたり、自分の3年後、5年後を分からないなりにも考えながら、目的を持って成長してほしいというお話をしています。何よりも大切にしていることは、最初の研修で「会社で働くって大変かもしれないけれど、嫌なことではないな」という気持ちを持ってもらうこと、そして「未来の選択肢は目の前にたくさん広がっていて、人生の主導権は自分で握っていけるんだ」という可能性に気づいてもらうということです。
実は、新入社員研修を担当するときには、受講生の反応を毎回楽しんでいます。新入社員研修には、新入社員研修にしかない緊張感と反応が存在します。この反応というのはそれぞれが興味深く話を聞くポイントがあからさまに違うというものです。例えば、あまりメモを取っていなかったのに、ビジネスマナーの話になると身を乗り出してメモを取りながら話を聴いている人、例えば、それまでは退屈そうにしていても、目標設定の話になるとキラキラと目を輝かせて話を聴いている人、そして、全般を通して集中力を切らさずにずっと真剣に聞いている人、それぞれです。
これが管理職研修などになると、全般的にみなさま「そこそこ」の集中力で話を聞いてくださっています。ただ新入社員研修の時に感じるような身を乗り出して話を聞くということはあまりありません(単純に私が講師として力不足なのかもしれませんが)。
一言で言ってしまえば、新入社員研修で出会うみなさんの反応はとても「素直」です。素直に不安を表現し、素直にワクワクを感じている、それが研修に出ています。
そして講師としては、それぞれの反応をみながら、ポジティブな反応を見せてくれた人へのメッセージ、ネガティブな反応を見せてくれた人へのメッセージを研修の中に織り交ぜていきます。アドリブを入れながらより学びが深くなるように研修を創っています。
新入社員研修は、一生のうちに何度も受けることができるものではありません。まだ新入社員研修が進行中の企業さまも多いかと思いますが、素直な反応を出しながら、楽しんでいただきたいと願っています。