オンライン研修を受講して分かったこと

新型コロナウイルスの影響は果てしなく、3月から5月まで予定されていた企業研修の9割は中止もしくは延期となりました。今、企業研修を含む教育業界(あえて教育業界に含めます)では、急激にオンライン研修への移行が進んでいることはご存知の通りです。

私個人は、コロナ禍の前からオンラインで就活支援などを進めていましたので、研修やセミナーがオンラインへ移行されることへの拒否反応などは持っていません。ただ、個人の好みとして「やっぱり対面が好き」という理由でオンラインをあまり活用していませんでした。

でも、この時期には、そんな個人の好みを言っている場合ではありません。この時期でも学びを止めないためにも、積極的にオンラインへ移行していくべきです。

オンラインでの個人サポートはいろいろとやってきた私でしたが、実は、オンラインセミナーなるものは受けたことはありませんでした。「1対1」ではない「1対複数」のオンラインセミナーの受講生とはどんな気分なのか。そう思い、研修講師ばかりが集う「オンライン模擬セミナー」に受講生として参加をしてみました。

結論から言うと、ただただ衝撃でした。
よほど、魅力的なセミナーを開催しなければ、浮気をされてしまう」という衝撃です。

オンラインを受けている場所は、ほとんどの場合は自宅です。周りには居心地のよい環境があります。手元にはスマホがあって、雑誌や漫画が置いてあって、音楽も聞けます(マイクをミュートにしてしまえば分からないしね)。そんな中でオンライン上の講師の話を集中して聞いていくことは、かなり相手の意思力に頼るものだと思います。

オフライン(対面式)の研修では、研修に集中するための環境が創られています。セミナールームや企業の研修室には、ホワイトボードとPCが置いてあり、机の上には研修資料が並んでいるだけ、気が散るようなものは置いてありません。スマホはもちろんカバンの中です。講師の話が面白くても面白くなくても、受講生のみなさんは、前を向いて話を聞くしかありません。でも、オンラインセミナーではどうでしょう。講師の話が面白くなければ、「浮気」できるものがいくらでもあるのです

この経験を通して、研修講師としての私は、今までどれほどに「甘やかされた」環境で研修をしていたのかと痛感しました。私の研修が面白くても、面白くなくても、受講生は前を向いてくれています。私は「先生」と呼ばれることをお断りしていますが、講師の中には「先生・先生」と言われることで悦に入ってしまう人もいます(残念ですが)。でも、それは「オフライン」の環境がそうさせていただけで、自分の講師としての実力だけではないのです。

オンライン研修では、どれほど魅力的に研修を創っていけるか、また研修動画を観ているだけの感覚にさせず、どれほど巻き込んでいけるか、です。オンライン研修が対面研修の代替品として存在しているのではなく、オンライン研修とオフライン研修ではそもそもの作り込み方が違うのです。

研修講師としてオンラインセミナーを受講して、大きな気づきがありました。研修講師は、今までのやり方を根底から変える必要がある改革期に来ています。私は自分の研修に関して、今までの研修環境に甘えずにレベルを上げていかなければいけないと気づくことができました。これは本当に大きな収穫です。

コロナ禍が終わるころ、オンラインもオフラインもどちらの研修でも今以上に魅力的な研修を創っていれる講師で在りたいと願っています。

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