【就職支援】就活のためにやっておくこと
大学生の就職支援をして長いですが、大学1年生や2年生の方から「就活は早く取り掛かったほうがいいと先輩に言われたんですが、何から始めたらいいですか?」という質問をもらうことが稀にあります。今日はそんな質問に答えてみます。
回答者としてはかなりふさわしくないのですが、最初に「No」を言います。大前提として「就活のために(内定を獲得するために)何かを始めたほうがいい」と思っているのであれば、それは「やらないほうがいい」です。何かをしようとしている目的が「就活のため」であれば、方向性が間違っています。なぜなら、就活は内定を取ることがゴールではなく、「自分に合う企業」を見つけて、そこでファーストキャリアをスタートさせていくことがゴールとなるからです。人によっては、数年で別の場所に移るかもしれませんし、人によっては定年までその企業で働くかもしれません。「内定」という点で見るのではなく、その後のキャリアまで考えて「線」で見ていくことが必要となります。
だから「就活のため」に何かをするというより、社会人になるまでにどんなことをやっておけばよいかということを考えていこうね、と話をさせてもらっています。
では、何をやっておけばいいでしょうか?
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①できる限りたくさんの業界・業種で働く大人の話を聴く
私が個人的に一番おススメしたいことはこの「さまざまな業界・業種で働く人の声をたくさん聞く」というものです。その目的は「思い込みを外して視野を広げる」ためと「自分で判断する」ためです。
みなさんに質問です。みなさんは自分が知っている「企業名」を何社くらい書くことができるでしょうか?よく利用するコンビニエンスストアの名前、好きなお菓子会社、ゲーム会社の名前、よく購入しているブランド名など、20社くらい書くことができたでしょうか?
おそらく多くの方が書いてみた企業というのは、「B to C」の企業だと思います。でも世の中には「B to C 」だけではなく「B to B」の企業も多く存在していますよね。
大学1年生や2年生というのは、20歳前後ですので、「知らない世界」のほうが多いと思います。社会にはどんな企業があるのか、どんな仕事があるのか、などもほとんどわかっていません。「B to C」の企業は馴染がありますが「B to B」の企業は知らないことがほとんどです。
また、私が出会ってきた多くの就活生からは「アルバイトで出来る仕事はしたくない」つまり「飲食やサービス業では働きたくない」という声をよく聞いていました。しかし、これにも大きな誤解があります。アルバイトとして見える景色と正社員が見ている景色にはずいぶんと違いがあります。
上記に近い話として「親が持つ価値観や世界観」というものも存在しています。就活で内定を獲得した後に、親から「そんな企業に就職させるために大学に行かせたわけではない」と反対され、内定を辞退する学生を毎年数名見てきました。最初はそんなドラマのような話が、と思っていましたが、これはドラマの話ではなくごく普通のことです。その時に、自分の言葉で、自分の決断として「なぜこの会社なのか」「なぜこの業界なのか」を説明できるようになっておくためにも、自分の目で業界や職種、企業のことを知っていくことが必要となります。
このように自分が知らない業界や企業のこと、また自分が勘違いをしている、思い込みによる判断をしている業界や職種のことを実際にその現場で働いている大人たちに話を聞いてほしいと思っています。そうすることによって知らなかった世界を知ることができますし、自分の勘違いに気づくこともあるかもしれません。
これは、大学3年生になって「いざ就活」というタイミングでやろうと思っても時間が足りません。就活が始まってしまうと、企業説明会に参加して、エントリーシートや履歴書を書く、企業研究をする、面接の準備をする、とやらなければならないことが多く、たくさんの大人の言葉を聞く時間を取ることはできなくなってしまいます。自分のファーストキャリアをどうやってスタートさせていくのかを十分に時間を取って考えてほしいと願っています。
②企業インターンシップに参加する
業界や企業のことを知るためのもう一つの手段としては、「インターンシップ」があります。一般的には大学3年生が参加するものという印象があるかもしれませんが、インターンシップに参加することは早くからのほうが良いと思っています。インターンシップの種類もさまざまで、長期に渡るものから1日や数時間で終わってしまうものもあるので、事前調査が必要ですが、そこで働く人に「リアルに会える」ということには変わりません。
業界や職種のことを知りたい、気になる企業があるから、その企業のことをもっと詳しく知りたい、ということであれば、それは現場(職場)に行って情報収集をすることが近道です。インターンシップを行うことで、業界や企業のことを知れるだけではなく、企業で働くイメージも付きやすくなります。積極的にインターンシップに参加をして「働くイメージ」を膨らませてほしいと思っています
③海外や国内のまだ知らない土地に出向いてみる
今は、新型コロナウイルスの影響により、旅行というものが容易なことではなくなりましたが、少しでも旅行に行けるチャンスがあれば、ぜひ海外や国内の旅行に行き、まだ観たことがない景色、食べたことのない料理、会ったことのない人との出会いをしてほしいと思います。
就活が始まって、内定を獲得するとそれ以降は慌ただしく時間が過ぎていきます。企業によっては内定者研修が定期的に行われたり、事前課題が出されるところもあり、内定後に長期の旅行に行くことが難しい場合もあります。入社を迎え新入社員1年目では、とても長期休みをもらって旅行にいくことはできません。だからこそ、大学1~2年生のうちに、たくさんの「本物」に触れてほしいと願っています。その経験を通して、自分の価値観に触れることもでき、自分の中で大きな宝物となります。
まとめ
大学1~2年生のうちに何をやっておけばよいか、という問い対して以下の3つでお応えしました。
①できる限りたくさんの業界・業種で働く大人の話を聴く
②企業インターンシップに参加する
③海外や国内のまだ知らない土地に出向いてみる
自分のファーストキャリアを考えながら、自分はどんな人生を創っていきたいのか、どんな人生の主役でいたいのかを考えながら過ごしていただきたいと思います。
大分県の中小企業の経営者・採用担当者さま
現在、大分県在住の研修講師として、大分県の中小企業の人材育成と人材定着に貢献をしたいと思いフリーの研修講師としての活動を続けています。研修講師を招いた研修に興味があるが導入したことがない企業さまはお気軽にご連絡ください。講師実績やプロフィールはこちら⇒【小さな組織のための小さな研修】